【改正民法】隣の木が越境したらどうする?枝・根の切除ルールを解説

query_builder 2026/09/10
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隣の家の木が敷地に入ってきたらどうする?改正民法で変わった「越境した枝」のルールをわかりやすく解説


「隣の家の木の枝が、自分の敷地まで伸びてきた……」

「空き家の庭木が伸び放題になっている」

「相続した実家の庭木が隣地に越境しているけど、どうすればいい?」

不動産を所有していると、このような隣地とのトラブルが起こることがあります。

特に、相続した実家や長期間使っていない空き家では、庭木や竹などが成長し、枝が隣地へ越境してしまうケースも珍しくありません。

実は、こうした**「越境した枝」についてのルールは、民法改正によって見直されています。**

今回は、改正された民法第233条をもとに、以前のルールとの違いや、枝が越境してきた場合にどう対応すればいいのかを分かりやすく解説します。






そもそも「越境」とは?

不動産における「越境」とは、簡単にいうと、本来は自分の土地の範囲内にあるはずのものが、境界線を越えて隣の土地に入り込んでいる状態です。

例えば、

  • 木の枝が隣の敷地に伸びている

  • 木の根が隣地に入り込んでいる

  • 建物や塀の一部が境界を越えている

  • エアコンの室外機などが境界付近に設置されている

などがあります。

今回注目したいのが、庭木や竹の「枝・根」の越境です。






改正前と改正後で何が変わった?

まず、以前の民法第233条では、

隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

とされていました。

一方、改正後は、一定の条件を満たせば、越境された土地の所有者自身が枝を切り取ることができるようになっています。



旧法と改正法の違い


旧法改正法
越境した枝木の所有者に切除させる原則として木の所有者に切除させる
所有者が切除しない場合自分で切ることについて制限があった一定の条件を満たせば自分で切れる
木の所有者が不明対応が難しい自分で切れる場合がある
緊急の場合個別の対応が必要急迫の事情があるときは自分で切れる
根の越境自分で切り取れる引き続き自分で切り取れる

改正法では、次の3つの場合に、土地の所有者が越境した枝を切り取ることができるとされています。






越境した枝を自分で切れる3つのケース


① 木の所有者に催告したのに切ってくれない

まず1つ目が、

「木の所有者に枝を切ってください」と伝えたにもかかわらず、相当な期間内に切除してくれない場合

です。

例えば、

「枝がこちらの敷地まで伸びていますので、切っていただけますか?」

と所有者にお願いしたものの、いつまで経っても対応してもらえないケースです。

この場合、改正民法では、一定の条件のもとで越境された土地の所有者が自ら枝を切り取ることができるとされています。

ただし、実際に切除する場合には、どの程度まで切っていいのかなど、慎重に判断することが大切です。






② 木の所有者が誰なのか分からない


2つ目は、

竹木の所有者を知ることができない、または所有者の所在が分からない場合

です。

これは、空き家や相続不動産などで特に問題になりやすいケースです。

例えば、

「隣の家が何年も空き家になっている」

「所有者が誰なのか分からない」

「相続で所有者が変わったらしいが、連絡先が分からない」

という場合です。

以前は、所有者を探すところから始めなければならず、枝の越境問題を解決するまでに時間がかかることもありました。

改正後は、所有者を知ることができない、または所在を知ることができない場合も、土地の所有者が枝を切り取ることができるケースとして明確化されています。






③ 急迫の事情がある場合


3つ目は、

「急迫の事情があるとき」

です。

例えば、台風などによって枝が折れそうになっていて、

「このままだと建物や人に被害が出る可能性がある」

といった緊急性のあるケースです。

このような場合には、所有者への催告などを待つことが適切ではないケースもあります。

そこで改正民法では、急迫の事情がある場合には、自ら枝を切り取ることができるとされています。






「隣の木だから勝手に切っていい」というわけではない


ここは非常に重要です。

改正されたからといって、

「隣の家の枝が少しでも入ってきたら、好きなように切っていい」

ということではありません。

改正民法では、一定の条件が定められています。

特に通常のケースでは、

①所有者に枝を切るよう催告する

②相当な期間が経過しても切除されない

③必要な範囲で枝を切り取る

という流れを意識することが大切です。

トラブルを防ぐためにも、いきなり自分で切るのではなく、まずは状況を確認しましょう。






共有されている木の場合はどうなる?


改正民法では、竹木が複数人の共有となっている場合についても規定されています。

改正後の民法第233条では、

竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。

とされています。

つまり、木の所有者が複数人いる場合についても、枝の切除に関するルールが整理されています。

相続によって土地や建物だけでなく、敷地内の竹木についても共有関係が発生している場合には、注意が必要です。






枝と「根」ではルールが違う?


ここも覚えておきたいポイントです。

改正後の民法第233条では、

隣地の竹木の根が境界線を越えている場合、その根を切り取ることができる

とされています。

つまり、枝と根では対応方法が異なります。

枝の場合

原則として、まず木の所有者に切除を求めます。

ただし、

  • 催告しても切除しない

  • 所有者が分からない

  • 所在が分からない

  • 急迫の事情がある

などの場合には、土地の所有者が枝を切り取ることができます。

根の場合

境界線を越えている根については、切り取ることができます。

このように、「枝」と「根」は同じ越境でもルールが違うので注意しましょう。






相続した実家・空き家では特に注意!


この改正は、相続した不動産を所有している方にとっても重要です。

例えば、親から実家を相続したものの、

「自分は別の場所に住んでいる」

「実家には誰も住んでいない」

「庭の手入れをしていない」

という状態になっていませんか?

空き家を放置すると、

  • 庭木が大きくなる

  • 枝が隣地へ越境する

  • 雑草が伸びる

  • 害虫が発生する

  • 近隣から苦情が入る

  • 建物の劣化が進む

など、さまざまな問題につながる可能性があります。

今回の資料でも、管理されていない土地について、悪臭・害虫・鳥獣・美観の悪化など、周囲への影響が生じる可能性が検討されています。






「相続した実家をどうするか」を早めに考えることも大切


相続した実家を使う予定がない場合、

「とりあえずそのままにしておこう」

と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、空き家や土地は、所有しているだけでも管理が必要です。

特に遠方に住んでいる場合は、

「庭の状態を確認できない」

「台風の後に見に行けない」

「近隣から連絡が来てもすぐ対応できない」

といった問題もあります。

将来的に住む予定がないのであれば、

売却するのか、管理するのか、活用するのか

を早めに検討しておくと安心です。






不動産を売却するときも「越境」は確認しておこう


不動産売却を考えている場合も、越境の確認は大切です。

例えば、

  • 自分の木の枝が隣地に越境している

  • 隣の木の枝が自分の敷地に越境している

  • 境界がはっきりしていない

  • 古いブロック塀が境界付近にある

  • 空き家になってから長期間管理していない

といったケースです。

売却を進める中で初めて越境が発覚すると、対応に時間がかかる場合があります。

そのため、「売ろうかな」と思った段階で一度不動産会社に相談するのがおすすめです。






越境問題で困ったら、まずは状況を確認しましょう


隣地とのトラブルは、感情的になってしまうと話し合いが難しくなることがあります。

まずは、

STEP1

どこまで枝が越境しているのか確認する

STEP2

土地の境界を確認する

STEP3

竹木の所有者を確認する

STEP4

必要に応じて所有者へ切除を依頼する

STEP5

対応が難しい場合は専門家へ相談する

という流れで、冷静に対応することが大切です。

特に境界がはっきりしない場合や、隣地所有者との話し合いが難しい場合には、自己判断で枝を切る前に専門家へ相談しましょう。






まとめ|改正民法で「越境した枝」への対応が分かりやすくなりました


今回の改正民法第233条では、越境した枝について、一定の場合には土地の所有者自身が切り取ることができるルールが明確になりました。

ポイントをまとめると、

原則は竹木の所有者に枝を切除してもらう

催告しても相当期間内に切除しない場合は、自分で切れる

竹木の所有者が分からない・所在不明の場合も、自分で切れる場合がある

急迫の事情がある場合も、自分で切れる

共有の竹木についてもルールが定められている

越境した根は切り取ることができる

という点がポイントです。

ただし、実際の不動産トラブルでは、境界や所有者、越境の状況などによって対応が変わる場合があります。

「相続した実家の庭木が隣地に越境している」

「空き家の管理ができない」

「隣地との境界がよく分からない」

「越境問題がある不動産を売却したい」

という方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。






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